運送会社を退職して会社を去るトラックドライバー

【なぜ辞める?】ドライバーの定着率が悪い運送会社の実態とは

僕が現在働いている運送会社では、昨年だけで10人以上のドライバーが辞めていきました。

これは、業界平均と比べてもかなり定着率が悪いと言えます。

実際に辞めていった人たちから直接話を聞くことができたので、「なぜドライバーは辞めていくのか?」その理由をまとめておきます。

トラックドライバーとして転職を考えている方、または運送業界に興味がある方の参考になれば幸いです。

1. 運行・業務内容がきつすぎる

僕の勤務先は、大手路線会社に出入りしている庸車(下請け)です。

使用するのはすべて大型トラックで、仕事内容は店から店へのルート配送になります。

バラ積み・手積みが多い現場

運ぶ荷物は主に雑貨で、手積み手降ろしが当たり前。

フォークリフトが使える現場ばかりではなく、バラ積みが続く日もあります。

特に夏場は汗だくになり、熱中症のリスクもあります。

冬場はまだマシですが、夏場の積み降ろしは本当に体力勝負です。

長距離便は休む暇がない

中には「九州〜関西の往復便」など、仮眠もほとんど取れないようなキツい便もあります。

それでいて積み降ろしもガッツリこなさなければならないので、心身ともに削られる人が多いです。

たとえ給料が良くても、そこに至るまでの労力が大きすぎる。

「割に合わない」と感じて辞めていく人が後を絶たない理由は、まさにここにあります。

2. 人間関係のストレスで限界を迎える

辞めていった人の中には、人間関係のストレスに耐えられず退職した人も多くいました。

我が強い人が多い業界?

僕の印象ですが、トラックドライバーには自分のやり方にこだわる「我が強いタイプ」が少なくありません。

もちろん、協調性のある人もいますが、性格のぶつかり合いが起こりやすい環境です。

配車担当とのトラブル

配車マンと揉めて定期便を外され、「やってられない」と辞めた人もいました。
また、同僚のドライバー同士で揉め事が起きることもあります。

配車担当が冷酷すぎる?運行管理者の資格だけではドライバーは守れない

荷主との関係も影響大

定期の仕事に入ると、同じ荷主と毎回顔を合わせることになります。

中にはトラックドライバーに対して横柄な態度を取る荷主もいて、ストレスの原因に。

「お客様だから仕方ない」と割り切れる人は続きますが、そうでない人は我慢の限界を超え、辞めてしまうケースが多いです。

3. 他にもっと良い運送会社を見つけた

今の会社は給料が高いほうだと思います。

それでも「もっと条件の良い会社を見つけたから」という理由で辞めていく人もいます。

転職は珍しいことではありませんし、少しでもいい環境を求めるのは自然な流れです。

実際、僕も前の会社を辞めた理由は「もっと稼げる環境に行きたい」からでした。

4. 【番外編】事故を起こして逃げた新人の話

少し特殊な例ですが、新人がトラックをぶつけてしまい、そのまま逃げてしまうという事件もありました。

運送業界では、事故を起こした場合に修理費の一部負担を求められるケースが多いです。

その責任を恐れて逃げた結果、会社が訴訟を起こすことになりました。

事故を起こしても逃げてはいけません。

逃げれば逃げるほど事態は悪化します。弁済義務が発生し、裁判沙汰になるリスクも高くなります。

辞める前にやっておくべき3つのこと

やめる前にやっておくべきことを教える人

実際に会社を辞めた人たちを見てきた中で、「辞める前にこれをやっておけば良かった」と後悔しているケースもありました。

勢いで辞めてしまう前に、次の3つだけはぜひ確認しておいてください。

1. 自分の希望条件をはっきりさせる

「とにかく今の会社が嫌だ」という気持ちだけで転職してしまうと、次の職場も似たような不満を抱える可能性があります。

  • 稼ぎたいのか
  • 休みを増やしたいのか
  • 人間関係の良さを重視するのか

自分が何を優先したいのかを、明確にしておくことが大事です。

2. 転職先のリアルな情報を集める

求人票の内容だけで判断するのは危険です。

実際にその会社で働いている人の口コミや、運送業専門の転職サイトなどを活用して「現場のリアル」をリサーチしましょう。

僕自身、前職を辞めるときに元同僚からの紹介がなければ、今の環境にたどり着けませんでした。

3. 退職後の生活をシミュレーションする

運送業界では即日退職できることもありますが、その後の生活が不安定になると焦ってブラック企業に逆戻り……

なんてことにもなりかねません。

退職金・失業保険・貯金などを計算し、次の職場が決まるまでどれくらい生活できるかを想定しておきましょう。

【まとめ】定着率が悪い会社には、やっぱり理由がある

給料が高くても、運行がきつければ人は辞めていきます。

また、人間関係や労働環境、業務のキツさなど、1つでも大きなストレス要因があれば続けるのは難しいです。

最終的には「お金よりも大事なものがある」と気づいて、環境の良い会社に移っていく。

僕もそうでしたし、辞めていった仲間たちも似たようなことを言っていました。

大事なのは「どこで働くか」より「どんな働き方をしたいか」

どれだけ給料が良くても、心と体を壊してしまったら意味がありません。

働きやすい環境、無理のない運行、気持ちの良い人間関係。

それらを大事にしながら、自分に合った会社を見つけてほしいと思います。

「もっといい会社があるかも」と転々としても、結局どこも同じだったという声もあります。

ですが、諦めずに探せば、自分に合った職場はきっと見つかります。

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トラ介現役トラック運転手/ドライバー歴20年以上のベテランです!
このブログでは、地場から長距離まで経験してきた僕が、リアルな現場の働き方・悩み・収入事情をぶっちゃけています。無事故20年継続中! かつては運送業界の闇も経験しましたが、今では家族を支える高収入ドライバーに。 以前は「トラックドライバー総合情報サイト・ブルル」でも執筆経験あり。 「これから運送業に入りたい」「今の働き方に不安がある」という人に向けて、現場のリアルを届けます!