僕が勤めている運送会社には、難聴の大型トラックドライバーの先輩がいます。
年齢は50代、ベテランの域に達した方です。
話すととても朗らかで、気配りもできる。
根性があり、荷物の扱いも丁寧。
職場でも信頼されています。
この記事では、その先輩の働き方をもとに、難聴でもトラックドライバーとして働けるのか?
どんな困りごとがあるのか?
をリアルにお伝えします。
もし今、難聴という理由で
「トラックドライバーは無理かな…」
と諦めかけている方がいたら、ぜひ読んでほしいです。
難聴でも運転免許はとれる?
まず気になるのはここだと思います。
結論から言うと、難聴でも運転免許は取得できます。
実際に僕の先輩は、大型一種免許(いわゆる大型トラックの免許)を持っています。
警察庁の基準では、普通・準中型・中型・大型の一種免許では、「10メートルの距離で90dBの警音器の音が聞こえること」が条件ですが、補聴器の使用もOKとされています。
つまり、補聴器で基準を満たせば問題なく免許を取得できるということです。
先輩も補聴器を使って免許を更新し、現在も大型トラックに乗ってバリバリ働いています。
現場で困ることはあるの?
実際の仕事に入ると、聞こえにくさによる困りごとは正直あります。
たとえば、倉庫や物流センターは常に音がうるさい環境です。
- シューター(荷物を流す機械)がぐるぐる回ってる
- フォークリフトが頻繁に走っている
- 無線や構内放送も飛び交っている
こんな環境の中で、誰かの指示を聞き取るのは大変です。
難聴でなくても聞き返したくなるほどなので、難聴の方にとってはなおさら厳しいはず。
先輩も「声かけに気づきにくい場面はある」と言っていました。
だからこそ、周囲の動きに対する注意力や目配りがとても重要になってきます。
フォークリフトに注意!過去にこんな事故も…
実はその先輩、フォークリフトにはかなり警戒しています。
というのも、過去に同じ会社で、フォークリフトにひかれて足の指を失ったドライバーがいたからです。
現場のフォークリフトは、後ろからスーッと来ることもあり、音だけに頼っていると危ない。
難聴の方は、「音より視界」を頼りにしたほうが安全です。
- 常に後方確認をする
- 死角に入らない
- 明るい服を着る
- 必ず指差し確認をする
などの工夫が求められます。
先輩もこれらを徹底しており、いままで一度も事故を起こしていません。
難聴でもやれる!先輩から学んだこと
正直、この記事を書くにあたって少し迷いがありました。
僕自身は難聴ではないので、「当事者じゃない自分が書くのはどうなんだろう?」と考えたんです。
でも、すぐそばで難聴の先輩が懸命に働いている姿を見て、これはぜひ伝えなければと感じました。
難聴でも、トラックドライバーとして活躍している人は実在します。
「聞こえにくいから」と諦めずに、工夫や努力次第でやっていける仕事なんだと、僕は先輩から学びました。
難聴の方におすすめの働き方は?
種類 | 理由 |
---|---|
大手路線会社の大型トラック(夜間中心) | 騒音が少なく、ルートも固定でストレスが少ない |
地場・中距離の定期便 | 荷主が固定で、やり取りも安定している |
チルド・冷凍車 | 冷蔵センターなどは比較的静かな職場が多い(逆に冷凍機の音が問題なケースもあるため注意) |
僕の考えですが、もし難聴の方がトラックドライバーとして働くなら、長距離の大型トラックの路線便(定期便)をおすすめしたいです。
その理由は3つあります。
① 定期便なので作業内容が決まっている
毎日ルートや荷主が変わる仕事だと、そのたびに新しい情報を聞き取る必要があります。
定期便なら作業パターンが決まっていて、変化が少ないぶん負担が減ります。
② 作業が少なく、運転がメイン
長距離であれば荷物を触るのは一日一回とうパターンもあります。つまり運転が主な業務になります。
そのため構内で人の指示を聞く機会も少なく、安全に働けます。
③ 給料が比較的安定している
運行ルートが固定されているので、収入も大きくブレにくいです。
僕の職場でも、路線便の難聴ドライバーの先輩は毎月安定して高めの給料をもらっています。
難聴を理由に諦めないでほしい
トラックドライバーは、たしかに音に注意が必要な場面がある仕事です。
でも、だからといって難聴だから「絶対に無理」なんてことはありません。
- 安全意識を高く持つこと
- 目で情報をキャッチすること
- 分からない時は、きちんと確認すること
これらを実践すれば、十分にプロのドライバーとして活躍できます。
難聴でも、ドライバーの道は開ける
難聴だからといって、トラックドライバーを諦める必要はありません。
- 運転免許も問題なく取得できる(補聴器の使用もOK)
- 倉庫作業やフォークリフトには注意が必要
- 路線便や定期便など、働き方を選べば安全に働ける
- 安全意識と工夫次第で、活躍している人はたくさんいる
実際に難聴で大型トラックを運転している僕の先輩は、誰よりも真面目に、安全に働いています。
この記事が、少しでも誰かの「挑戦してみよう」という気持ちにつながれば嬉しいです。
追伸:当ブログではトラックドライバーに関するリアルな情報を発信中!
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耳が不自由なドライバーです。
筆者様の聴覚障害者に対するご理解には頭が下がります。
昨年秋から就職活動をしておりました、運送会社数百社に断られ続け、
やっと三重県の理解ある運送会社様に採用して頂きました。
現在は大型フリー便の運行をしていまして、会社の配慮で運行指示はLINE、
積み地降ろし地と電話連絡がどうしても必要な場合、文字が出る装置で電話
のやり取りをしています。
全く聞こえないので各ミラーやバックモニターの充分的確な目視で事故は
ゼロとなっています。
重度の難聴です。こちらの記事を書いて下さって感謝です。
私はほとんど聞こえない大型ウイング車のドライバーです。
フリー便で毎日、違う場所に行っています。家には1週間に1回帰宅しています。
電話は基本的に出来ませんが、通話内容を文字化する装置を使い、荷主様に
何とか嫌われないようにやっています。