テレビ取材を受けるトラックドライバー

テレビ取材の約束をドタキャンされた話【現場軽視のメディア】

昨年末、某テレビ局の記者から連絡があり、「トラック運転手の現状を取材したい」と申し出がありました。

正直、僕自身に特別な価値があるとは思っていませんが、「ドライバーのリアルを知ってもらえるなら」と思い、協力することに。

取材に向けて、放送予定や内容の概要など簡単な打ち合わせも済ませ、年明けに再度連絡するという約束もしていました。

でも——

それから3ヶ月、連絡は一切なし。

番組がボツになったのか、企画が流れたのか、理由はわかりません。

でも、こちらとしては取材に応じるために時間も気持ちも用意したんです。

それを放置って…正直、がっかりです。

「取材をやめるなら、せめて一言くらい連絡してくれ」と思うのは、普通の感覚じゃないですか?

こういう無責任な対応を見ていると、「現場の声を聞く」という姿勢は一体どこにあるのかと、ジャーナリストの品格を疑いたくなります。

路上駐車問題を語るメディアが“現実”を知らなすぎる

腹が立つ話はこれだけじゃありません。

つい最近も、トラックの路上駐車について書かれたネット記事を見て、目を疑いました。

その内容というのが、「トラックはコインパーキングに停めればいいのに」というもの。

……は?

12メートル超の大型トラックを、住宅街のコインパーキングに停められるとでも思ってるんですか?

【事実】トラックが駐車できる場所は限られている

一般的なコインパーキングの車室は、全長5メートル前後。

対して、大型トラックは全長12メートル、幅2.5メートル。

どう考えても物理的に無理です。

小学生でもわかります。

しかも、夜間配送や時間指定の荷卸しがある現場では、周囲に駐車場がなく、やむを得ず一時的に路駐するケースもあります。

これはドライバーが好き好んでそうしているわけではなく、社会の物流構造そのものが原因なんです。

トラック業界は、メディアに誤解されすぎている

テレビのドタキャンも、路駐記事の件も、共通して言えるのは「現場を知らない人間が、勝手なことを発信している」という点です。

しかも、そういう記事や番組が「正しい情報」として世間に広がっていく。

その結果、トラックドライバーは誤解され、悪者扱いされる。

僕たちは、ただ黙って働いているわけではありません。

物流を支える現場で、厳しい拘束時間、少ない休憩、そして常に事故と隣り合わせの中、プロとして走っています。

それを「ちょっと調べただけの記者」が適当に記事を書き、テレビ局が取材を投げ出すなんて、正直やってられません。

メディアには、もっと“現場の声”を聞いてほしい

誤解されたまま放置されるのはもう限界。

僕たちが普段からどんな思いで走っているか、社会はもっと知るべきです。

メディアの方々には、どうか「一時のネタ消費」ではなく、本当に現場を見てから記事を書いてほしい。

せめて、約束したことは最後まで責任を持ってほしい。

僕たちドライバーも、もっと声を上げていかなければならないのかもしれません。

まとめ:トラックドライバーの声が届く社会へ

物流業界は、日本の生活を支える“縁の下の力持ち”です。

その最前線にいるのがトラックドライバー。

現場を知らないメディアの発信に振り回されるのではなく、ドライバー自身の声が社会に届くことが、今こそ必要とされています。

僕たち一人ひとりが発信することで、少しずつでも誤解を解いていけるように。

そして、メディアの人たちにも「本当の取材とは何か」を考えてもらいたいと思います。




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ABOUT US
トラ介現役トラック運転手/ドライバー歴20年以上のベテランです!
このブログでは、地場から長距離まで経験してきた僕が、リアルな現場の働き方・悩み・収入事情をぶっちゃけています。無事故20年継続中! かつては運送業界の闇も経験しましたが、今では家族を支える高収入ドライバーに。 以前は「トラックドライバー総合情報サイト・ブルル」でも執筆経験あり。 「これから運送業に入りたい」「今の働き方に不安がある」という人に向けて、現場のリアルを届けます!