交通違反を取り締まる警察の画像です

取り締まりを知らせるトラック運転手は正しいのか?

トラックドライバーとして15年働いてきた僕ですが、これまでに何度も、対向車のトラックから「パッシング」で取り締まりを教えてもらった経験があります。

でも、正直なところ僕自身はスピード違反や目立った違反をしていないので、

「はいはい、どうもどうも」

くらいの感じで、あまり気にとめていませんでした。

ただ、ある日、SNSでこんな投稿を目にしたんです。

「取り締まりに捕まった!誰か教えてくれよ~」

それを見た時に、ふと思ったんです。

「あれ?取り締まりを教えるって、プロドライバーとして本当に正しい行動なんだろうか?」

教えることで、そのドライバーのためになるのか?

僕の答えは「NO」です。

もちろん、同業者に対する思いやりで教えている人が多いのはわかっています。

でも、違反行為をしている相手に「ラッキーな逃げ道」を教えてしまうって、本当にその人のためになるでしょうか?

たとえば、取り締まりに実際に捕まり、罰金を支払ったことで「次から気をつけよう」と反省する人もいます。

それは、それで良い経験だったとも言える。

注意力や安全意識が少しでも上がるなら、事故のリスクも下がるでしょう。

でも、もしその取り締まりを誰かが教えてしまったら?

「助かった!」「ラッキー!」

で終わってしまうんですよ。

反省もしないまま、また同じような運転を続ける。

そしていつか、取り返しのつかない事故を起こしてしまうかもしれません。

その時、その事故の引き金になったのはもしかしたら、取り締まりを教えた自分だったかもしれない。

運転の怖さを誰よりも知っているのは、僕らトラックドライバー

僕らは1日10時間、いや12時間以上運転していることもあります。

それだけ長時間ハンドルを握っていれば、事故現場を目撃することも、ヒヤリとする瞬間も何度もあります。

だからこそ、僕たちが一番よく知っているんです。

交通違反がどれだけ危険かってことを。

事故は一瞬。

そしてその一瞬が、人生を大きく変えてしまうこともある。

スピードの出しすぎ、無理な追い越し、ながら運転。

そのどれもが、事故に直結する行為です。

それを未然に防ぐための「取り締まり」なんです。

それを邪魔するのは、プロとしてどうなんだろうって、やっぱり僕は思うんですよ。

「正義マンになるな」と言う人もいるけど…

もちろん、「おまえ警察の味方かよ」と言われることもあります。

SNSでは「取り締まりを教えるのは優しさ」と肯定する意見もあるし、「そんなの自己責任」とバッサリ切る人もいます。

でも僕は思います。

本当の優しさって、違反を助けることじゃなくて、事故を未然に防ぐことなんじゃないか?

トラックは走る凶器とも言われる存在です。

だからこそ、ドライバー自身の自覚が一番重要なんです。

僕らが交通ルールを軽視したら、誰が守るんですか?

それを見て育つ新人ドライバーに、何が伝わるんでしょうか?

見られている意識を持とう。プロドライバーとして

誰かに指導することは僕らの仕事じゃありません。

でも、運転そのものが、無言のメッセージになります。

「あの人、トラックなのにルール守ってるな」

「プロドライバーって、やっぱり違うな」

そう思われるような運転をしていれば、それが若手の指針になります。

僕らが安全運転を貫くことが、周りのドライバーへの無言のメッセージになる。

それがプロとしての「背中で見せる教育」だと思います。

最後に:厚意と思いやりの方向を間違えないでほしい

違反を助けることは、優しさではありません。

厳しいようですが、それは事故を遠ざけるチャンスを潰す行為。

そしてそれは、あなた自身の首を絞めることにもなりかねません。

本当の思いやり、本当の厚意とは何か。

僕はこう考えています。

「取り締まりに協力すること」こそが、プロドライバーの責任であり、優しさです。

綺麗ごとかもしれません。

でも、命を預かる僕らだからこそ、そうありたいんです。




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トラ介現役トラック運転手/ドライバー歴20年以上のベテランです!
このブログでは、地場から長距離まで経験してきた僕が、リアルな現場の働き方・悩み・収入事情をぶっちゃけています。無事故20年継続中! かつては運送業界の闇も経験しましたが、今では家族を支える高収入ドライバーに。 以前は「トラックドライバー総合情報サイト・ブルル」でも執筆経験あり。 「これから運送業に入りたい」「今の働き方に不安がある」という人に向けて、現場のリアルを届けます!