どうもお疲れ様です!
トラック運転手歴14年、現役の地場ドライバーでありながら新人教育も担当している「トラ介」です。
僕は今の会社で“横乗り”といって、新人にマンツーマンで現場を教える仕事をよく任されているんですが、必ずと言っていいほど新人に聞くことがあります。
「なんでトラック運転手になろうと思ったの?」
この質問への答えで、いちばん多いのがコレ。
「車の運転が好きなんです!!」
正直、これを聞くたびに僕は思います。
「ああ、またか……。たぶんこの子、続かないだろうな。」
決してイジワルで言ってるんじゃないんです。
でも現実問題、「車の運転が好き」って理由だけで飛び込んできた新人の9割が、1年も経たずに辞めていくんです。
なぜか?
その理由を、14年続けてきた僕の目線でハッキリお伝えします。
車の運転が好き=向いている、は間違い
確かに「車の運転が苦じゃない」というのは、この業界では大きなアドバンテージかもしれません。
実際、トラックを運転するのは気持ちいいです。
車高が高くて見晴らしがいい。
安定感もあって、普通車よりも運転しやすいと感じることもあります。
でも、トラック運転手の仕事は「運転だけ」じゃありません。
- 荷物の積み下ろし
- 倉庫とのやりとり
- 狭い現場での切り返し
- 時間指定のプレッシャー
- 長時間の待機
- 渋滞、天候、道路状況との戦い
これ全部込みで、「トラックドライバーの仕事」なんです。
だから運転が好きという気持ちだけでこの仕事に飛び込むと、現実とのギャップに打ちのめされます。
3Kを超える現場の過酷さ
トラック運転手の仕事には「3K(きつい・汚い・危険)」という言葉が昔からありますが、今でもその本質は変わっていません。
たとえば夏。
炎天下の中、荷台の中での積み下ろし作業。
サウナ状態の空間で汗だくになります。
倉庫によってはエアコンどころか扇風機すらないところもある。
そして冬。
真夜中や早朝、氷点下の外気で震えながら荷降ろしや点検。
手がかじかんで段ボールのガムテープすら剥がせない日もある。
さらに言えば、フォークリフトでの積み込みは「楽」と思われがちですが、フォークマンの機嫌ひとつで現場の空気は地獄になります。
中には、理不尽な客先や倉庫の作業員からの横柄な態度に耐えなきゃいけない場面もある。
こういう現場で、
「思ってたのと違う……」
と感じた新人は、次第に「好きだったはずの運転」にまで嫌気が差してきます。
続く人の特徴=“好き”より“覚悟”がある人
逆に、僕が見てきた中で辞めずに続いている人には共通点があります。
それは――
「この仕事でどうなりたいか」がハッキリしていること。
たとえば、
- 家族のために安定した収入を得たい
- 借金を返して人生を立て直したい
- 独立して個人事業主ドライバーになりたい
こういう“目的”を持っている人は、キツいことがあっても自分で乗り越える力があります。
反対に、「好きなことを仕事にしたい」だけで来る人は、壁にぶつかったときに踏ん張りがききません。
好きだったはずの運転が苦痛に変わり、やがて嫌いになります。
そして、「向いてなかった」「違った」と言い残して去っていく……。
僕も正直、何度も辞めたいと思った
ここまで読むと、「じゃあお前はそんなに覚悟があったのか?」って思うかもしれません。
ぶっちゃけ、僕だって最初は「運転が好き」って理由でこの業界に入りましたよ。
でも現実は甘くなかった。
- 初めての荷下ろしで体を痛めた
- 配車係と揉めて仕事が回らなくなった
- 家族との時間が取れず、奥さんに泣かれた
- ヒヤリハットや商品事故で自信喪失した
それでも辞めずに続けてこれたのは、「家族を守りたい」という気持ちがあったからです。
僕には妻と子どもがいます。
この仕事で食わせていかなきゃいけない。
そういう覚悟があったから、キツくても続けてこれた。
頑張りが“給料”として返ってくる仕事
トラック運転手のいいところも、もちろんあります。
それは――
やった分だけ給料に反映されやすいこと。
僕は地場配送がメインですが、去年の年収は540万円。
無理に長距離に出なくても、ちゃんと稼げています。
これは「文句を言わずやることをやる」という姿勢を見せてきたから、いい配車を回してもらえるようになった結果です。
もちろん、最初から全部が順調だったわけじゃありません。
でも、“覚悟”を持って、ひたむきに頑張れば、報われる世界です。
あなたは何のためにこの仕事を選びますか?
もう一度、この記事を読んでくれているあなたに問いかけます。
「車の運転が好き」以外に、何か目的はありますか?
- 家族を守りたい
- 人生を変えたい
- 安定した収入を得たい
- 技術を身につけて一生の仕事にしたい
そういう“芯のある目標”があるなら、僕は全力で応援します。
そういう新人は、現場でも先輩に可愛がられ、育ちます。
でも、
「何となく運転が好きだから……」
という気持ちだけで来るなら、もう一度考え直した方がいい。
この仕事は、甘くないです。
本当に。
まとめ、好きだけじゃ無理。でも、続ける価値はある
最後にもう一度、ハッキリ言わせてください。
トラック運転手は、車の運転が好きなだけじゃ務まりません。
- 荷物の積み下ろし
- 長時間の拘束
- 汚れ作業
- 時間に追われるプレッシャー
こうした現実を正面から受け止め、「自分はこの仕事で何を成し遂げたいのか?」を考えないと、きっと続きません。
でも――
目的を持って飛び込んできた人は、必ず道が開けます。
この仕事は決して“ラク”ではないけれど、やりがいはあります。
頑張った分、家族が喜ぶ。
生活が豊かになる。
自信がつく。
そして何より、大きなトラックを動かして社会を支えているという誇りが持てます。
トラック運転手という道を選ぶあなたが、もし覚悟を持ってこの世界に飛び込んでくるなら僕は、仲間として歓迎します!!
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