どうも、トラック運転手のトラ介です。
普段は地場配送がメインですが、今回は泊まりの運行。
夕方から翌日の昼まで走り、途中で高速道路のPAに立ち寄って休憩を取っていました。
仮眠前に食堂で晩飯を済ませようとしたそのとき、人生で一番迷惑なヒッチハイカーに遭遇。
同業者はもちろん、ヒッチハイクする若者たちにも伝えたい、
「最低限のマナーと節度」
について実体験を元に語らせてもらいます。
PAで出会ったただならぬ雰囲気の男
昼ご飯を兼ねた晩飯を取ろうと、トラックを停めてPAの食堂へ向かいました。
すると、遠目からでも“異様な空気”をまとった男が1人、ウロウロと歩き回っていました。
裸足にタオルを頭に巻き、ギターを抱えてロン毛&ヒゲ面、年齢はおそらく30代後半。
一目で「こいつはヤバい」と分かる風貌。
しかも、一般のお客さんに話しかけている様子でした。
まあ、僕もトラックドライバー歴15年。
ヒッチハイカーなんて何人も見てきたので、このくらいの風貌は正直慣れています。
ただ、この男、なんか…様子がおかしかったんです。
食堂に響く絶叫ギターと謎の歌
僕は窓側の席に座り、カレーを注文して食べ始めました。
すると、さっきのヒッチハイカーがギターを抱えて食堂の中に入ってきたんです。
そして突然、「みんな!俺の目を見てくれ!」と叫び出したかと思うと、
「俺は悪人じゃない!
(ジャララ〜ン♪)
左手でできることは〜、右手でもできる〜!」
と、訳のわからない歌を熱唱し始めたのです。
完全に空気は凍りつき、他の客もみんな固まっていました。
食事をしていた僕も、スプーンを持つ手が止まり、カレーどころじゃなくなりました。
ヒッチハイクの理由は「荷物を盗まれたから」?
彼の話によると、旅の途中でバックを盗まれてしまい、お金が無くなったとのこと。
それで誰かの助けを借りて帰りたいということらしいです。
事情が事情だけに、気の毒だと思う部分もあります。
でも、それで大声で歌ったり叫んだりして、他人の時間と空間を乱していい理由にはならないでしょう?
みんな静かに食事している中、「俺を見ろ」「同情してくれ」と言わんばかりのパフォーマンス。
正直、今まで見てきた中で一番自己中心的なヒッチハイカーでした。
ヒッチハイクは自由。でも「他人を巻き込まない自由」が大前提
僕はヒッチハイクそのものを否定するつもりはありません。
人によっては、旅の中で学びや出会いがあることもあるでしょう。
ただしそれは、最低限のマナーや配慮があってこそです。
今回のように、自分の都合を大声でアピールして、無関係な他人の食事の場を台無しにするのは論外。
「助けてほしいなら、まず礼儀を持て」
そう言いたい。
バックを盗まれた?
それは災難だと思う。
でも、その時にまず頼るべきは家族や友人じゃないのか?
なぜいきなり見ず知らずの他人にギターで歌い訴える?
その姿に切羽詰まった様子は感じられず、むしろ「歌う自分に酔ってる」ようにしか見えなかった。
トラック運転手はアッシーじゃねぇ!
さらに、近くの席の人たちがこんな話をしていました。
「ヒッチハイクしたいなら、トラック運転手に頼めばいいのに〜」
冗談じゃありません。
俺たちはアッシーじゃない。
それに、トラックには会社の規定もあるし、業務車両への同乗者は禁止です。
事故が起きたときに保険が適用されないケースもある。
それに一歩間違えば、会社からの厳重注意・解雇対象になることだってあるんです。
だから、「トラック乗せてもらえばいいじゃん」なんて軽く言わないでほしい。
俺たちが背負ってる責任、舐めないでもらいたい。
ヒッチハイクに必要なのは「覚悟」と「礼儀」
今回の件がきっかけで、ヒッチハイクについていろいろ調べてみました。
すると、「ノリで旅してます♪」とか、「バックパッカー気分で♪」みたいな、軽いノリの情報が多い。
…正直、腹立たしいです。
誰にも迷惑をかけず、自力でやってるならそれはそれで立派。
でも、「誰かに乗せてもらう前提」で、しかも「助けてもらって当然」みたいなスタンスは僕は間違っていると思います。
同情を集めるためにギターをかき鳴らし、悲壮感を演出するようなやり方では、何も掴めやしないし、人の心も動かない。
むしろ、誰も寄ってこなくなる。
歩け。靴底がすり減るまで。
本当に旅したいのなら、金がなければ歩け。
自分の足で、地べたを這ってでも目的地を目指せ。
それが嫌なら、旅なんてやめて家に帰れ。
旅とは、誰かに運んでもらうことじゃなく、自分の足で進むことだと僕は思う。
今回のようなヒッチハイクなら、むしろ歩いた方が何かを掴めるんじゃないか?
最後に——ヒッチハイクをする人へ伝えたいこと
助けを求めるのは自由。
旅をするのも自由。
でもその自由は、他人に迷惑をかけていいという意味じゃない。
自分の「不幸」を盾に、他人の時間・空間・気分を壊してまでアピールするのはただの自己中です。
次にヒッチハイカーに遭遇する誰かが、少しでも嫌な気持ちをしなくて済むように、この記事が届いてくれることを願っています。
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