体調不良でもトラックを運転しているトラックドライバー

体調不良でも休めない?トラックドライバーが抱える現実と“休む勇気”

トラックドライバーって、体調が悪くても簡単には休めない。

これ、現役で働いている人なら誰もが感じたことがあると思います。

僕自身、トラックドライバーとして20年以上この仕事を続けてきました。

その中で実感したのは、「責任感が強い人ほど、無理してでも走ってしまう」という現実です。

今回は、そんなトラック業界の“休めない空気”の正体と、プロとして健康とどう向き合うべきかを、現場の視点から掘り下げていきます。

トラックドライバーが体調不良でも休みにくい理由

代わりがいない現場体制

運送業界では、基本的に一人ひとコース、ひと荷主で運行が組まれています。

つまり、自分が休んだら「代わりに走ってくれる人がいない」という状況が当たり前。

もちろん、従業員数が多くて層が厚い会社ならある程度フォローできることもあります。

でも、実際にはギリギリの人員で現場を回している会社が多いのが現実です。

荷主との関係・納品時間のプレッシャー

僕たちが運ぶ荷物には、決まった納品時間があります。

時間指定のある便や、工場ラインが止まるリスクがある荷物も少なくありません。

そんな状況で休んでしまうと、「荷主に迷惑がかかる」と感じてしまう。

特にルート便や定期便では、「いつものあの人が来ない」というだけでクレームにつながることも。

このプレッシャーがあるから、体調が多少悪くても「今日くらいは我慢しよう」と思ってしまうんです。

有給休暇は制度としてあっても、使いにくい現場の空気

もちろん、有給休暇は労働者の権利として存在します。

でも、実際にそれを「気軽に使える」かどうかは別問題です。

トラックドライバーの仕事は基本的に日々の運行ありき

有休は事前申請でないと使えないことも多く、突発的な体調不良では実質欠勤扱いになることもあります。

しかも、「休む=周囲に迷惑をかける」という空気があるため、余計に申請しづらいのが現実です。

責任感が強い人ほど、無理して出勤してしまう

「自分が行かないと現場が回らない」

「同僚や上司に迷惑をかけたくない」

そんな責任感から、体調が悪くても休めずに働いてしまうドライバーは多いです。

僕自身もそうでした。

結果として、体調不良を抱えながら運転することが日常化してしまう。

でも、それって本当に安全なんでしょうか?

定期便や専属コースに入っていると、なおさら休みにくい

定期便は「いつ、どこで、どんな荷物を運ぶか」が毎日固定されています。

それだけに、自分が抜けると全体のスケジュールが崩れてしまう。

このプレッシャーは想像以上に大きいです。

しかも専属の荷主だと「いつものドライバーじゃない」と警戒されることもあり、会社としても簡単に代走を立てられないという事情があります。

僕の実体験:有給を使ったのは大病の時だけだった

僕は20年以上トラックに乗っていますが、正直に言って有給を使ったのは数えるほど

しかも、それは大きな病気で長期療養したときだけでした。

それ以外のちょっとした風邪や発熱なら、マスクして薬を飲んで、無理して出勤するのが当たり前。

内勤や上司が代わりにトラックに乗ってくれたこともありますが、そうなると「そこまでさせてしまった…」という申し訳なさが湧いてきて、次からはますます休めなくなる。

これ、たぶん僕だけじゃないと思います。

無理して出勤すると、実は大きなリスクになる

体調が悪い状態で無理に働くと、どうなるか?

集中力の低下 → 事故のリスクが高まる

熱がある、頭が痛い、咳が止まらない――

こんな状態でトラックを運転すれば、判断力や反射神経が鈍るのは当然です。

運送業界ではちょっとしたミスが重大事故につながる可能性もある。

だからこそ、体調が万全じゃないときは「休む勇気」が必要なんです。

感染リスクもある

特に冬場、風邪やインフル、コロナなどが流行する時期には、他のドライバーや荷主にうつしてしまうリスクも考えるべきです。

健康な人が多く働いている現場で、誰か1人が感染源になると、運送業務自体が止まってしまう可能性もあるんです。

結局、もっと大きな迷惑をかける結果になることも…

「今日だけ無理して走れば大丈夫」――

そう思って出勤しても、体調が悪化して長期離脱になると、結局は会社や荷主、同僚にもっと迷惑をかけてしまうことになります。

だったら、最初の段階でしっかり休んだほうがよかった、って話になるわけです。

体調不良にどう向き合うべきか?プロとしての判断とは

僕らトラックドライバーは、体が資本です。

だからこそ、体調管理は「自己責任」の範囲だけではなく、プロとしてのスキルとも言えます。

普段からの体調管理を徹底する

  • 十分な睡眠
  • 栄養のある食事
  • 風邪予防の手洗い・うがい・マスク
  • 疲労が溜まっているときは早めの休養

これを日常的に意識しておくだけで、風邪を引くリスクは大きく減らせます

信頼関係を築いておく

いつも真面目に働いていて、会社や同僚から信頼されていれば、「今日だけはどうしても…」というときに助けてもらいやすい環境が作れます。

だからこそ、普段からコツコツと信頼を積み重ねておくことが大事なんです。

「休む勇気」もプロの判断

「迷惑をかけたくない」気持ちはわかります。

でも、それで事故を起こしてしまったら、もっと大きな迷惑になります。

本当にしんどいときは、ちゃんと会社に報告して休む勇気を持つことも、プロの判断です。

まとめ:簡単には休めない。でも、体調不良は命に関わるリスク

  • トラックドライバーは、代わりがいないから休みにくい
  • 定期便や専属コースは特に代打がききづらい
  • 有給は制度上あっても、実質使いづらい
  • 責任感が強い人ほど、無理して出勤しがち
  • でも、体調不良のまま走るのは事故や感染のリスクがある

僕たちドライバーにとって一番大事なのは、「健康」そのもの。

だからこそ、「無理して走る」のではなく、ちゃんと休んで回復する。それが本当のプロの仕事じゃないでしょうか。

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トラ介現役トラック運転手/ドライバー歴20年以上のベテランです!
このブログでは、地場から長距離まで経験してきた僕が、リアルな現場の働き方・悩み・収入事情をぶっちゃけています。無事故20年継続中! かつては運送業界の闇も経験しましたが、今では家族を支える高収入ドライバーに。 以前は「トラックドライバー総合情報サイト・ブルル」でも執筆経験あり。 「これから運送業に入りたい」「今の働き方に不安がある」という人に向けて、現場のリアルを届けます!