トラックドライバーは、常に危険と隣り合わせの仕事です。
どれだけ注意深く運転していても、ふとした瞬間に事故は起きてしまいます。
この記事では、「もしトラックで事故を起こしてしまったらどうなるのか?」をテーマに、給料・会社からの信用・被害者対応・再発防止への意識など、リアルな現場の声をもとに詳しく紹介していきます。
※僕自身は事故を起こしたことはありませんが、周りには経験者がたくさんいるので、その人たちの話も参考にしています。
事故後にまず気になるのは「給料」の変化
トラック運転手が事故を起こすと、まず大きな影響を受けるのが給料面です。
僕の会社では、大型トラックによる長距離運行がメインで、比較的稼げる環境です。
しかし、事故を起こしたドライバーは長距離から地場勤務に変えられることがほとんどです。
当然、走行距離や手当が減るので給料はガクッと下がります。
さらに修理費の一部が毎月の給料から差し引かれるようになります。
月数万円の天引き、手当のカットも珍しくありません。
例えば、大型トラックのキャビンごと交換が必要になるような大事故では、修理費が500万円近くになるケースもあるんです。
その一部を分割で負担することになります(割合や支払い方法は会社によって異なります)。
「事故を起こしても給料から引かれるの?」→現実は引かれます
「仕事中の事故で給料が減るなんておかしくない?」
と思う方もいるかもしれません。
でも現実として、会社の資産(トラック)を破損させた場合、弁償義務が発生することがあるんです。
労災や保険が適用されるケースもありますが、それでも会社の損害を完全にはカバーできないこともあり、一定額をドライバーが負担するというルールになっている会社も少なくありません。
これを知らずに入社して、後から知って絶望する人もいるので注意が必要です。
信用を失うと「元の運行」に戻れないことも
事故の影響は給料だけにとどまりません。
会社からの信用も一気に落ちます。
長年頑張ってようやくもらえた稼げるコースでも、事故一発で外されることがあります。
実際、「稼げる便」や「優良荷主」は、事故歴のあるドライバーには回ってこないことが多いです。
さらに、会社だけでなく荷主からの信頼も失います。
「あのドライバーは事故を起こしたから…」と噂が回れば、配車にも影響が出てきます。
被害者への対応は特に慎重に。誠意ある行動が大切
事故で相手がいる場合、もっとも重要なのが被害者への対応です。
ドライバーとしてやるべきことは以下の通りです
- まずは人命を最優先。ケガ人がいればすぐ救急車を呼ぶ
- 安全を確保したうえで警察に通報
- 被害者に「大丈夫ですか?」と冷静に声をかけ、不安を和らげる
- 無責任な発言はせず、会社や保険会社に連絡して対応を委ねる
- 後日、お見舞いや謝罪の機会があれば誠意を持って接する
この初期対応次第で、被害者との関係性やその後の処理が大きく変わることがあります。
冷静な判断と、ドライバーとしての責任感を持った行動が求められます。
「何度も事故を起こす人」は飼い殺し状態に
中には事故を何度も繰り返す人もいます。
僕の会社にもいますが、大型トラックを2台も廃車にしたベテランドライバーがいます。
事故が続くと会社からの評価はどんどん下がり、「どうせまたやる」と思われて重要な仕事が回ってきません。
本人も事故の弁償で給料が差し引かれ、地場メインで安い収入。
辞めたくても「事故代が残っているから辞められない」という負のループにはまっている状態です。
正直、僕がその立場だったら家計は完全に破綻します。
僕が事故を防ぐために心がけていること
僕はこの仕事を10年以上続けていますが、一度も事故を起こしたことがありません。
それには、意識して続けている習慣があります。
- 「絶対に事故を起こさない」という強い気持ち
- 同じ仕事でも毎回運転前には気持ちをリセットし、緊張感を持つ
- 防衛運転を心がけ、周囲の動きに敏感になる
- 無理な運転をしない。眠気や疲れを感じたら休む
特に大事なのは、「慣れたときこそ油断しないこと」。
毎日同じルートでも、その日その日の交通状況や周囲の車は違います。
まとめ、トラックドライバーは事故後が本当の勝負
トラック事故は誰にでも起こりうるものです。
でも、それを「一度きりの反省」で終わらせられるか、「連鎖させてしまうか」はその後の行動にかかっています。
- 給料は大きく下がる可能性がある
- 会社・荷主からの信用も失いやすい
- 被害者への対応が今後を左右する
- 事故を繰り返すと仕事を選べなくなる
もし事故を起こしてしまったら、深く反省し、次に活かす姿勢が大切です。
「二度と繰り返さない」という覚悟と行動が、また信用を取り戻す第一歩になります。
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