ある日、僕のブログにこんなコメントが届きました。
運んでるだけですよね?
誰でもできるから底辺なんです。
知能が低いんですよ、二時間以上運転してると知能が低下するのは知らないんですか?
犯人はのうのうと生きていますよ。人を殺しといて……トラックに命を奪われた家族より
正直、こういうコメントを読むと胸が痛くなります。
でも、トラック運転手として、ブログを書いている者として、やっぱりこの言葉には答えないといけない気がしたんです。
誰でもできる?底辺?
「運んでるだけ」「誰でもできるから底辺」
…そんなふうに思われてるんだなって思いました。
でも、本当にそうでしょうか?
実際には、トラック運転手に転職してきた多くの人が「思ったよりキツい」と辞めていきます。
拘束時間は長いし、荷扱いもあるし、ミスひとつで会社にもお客様にも迷惑をかける。
何より命を扱っているという責任が常にのしかかっています。
コメ主さんは「誰でもできる」なんて言っていますが、それは表面しか見ていないからじゃないでしょうか。
世の中、誰かがやらなきゃ成り立たない仕事ばかりです。
医者も弁護士も、芸能人も警備員も、そして僕らトラック運転手も。
どれかが偉くてどれかが底辺、なんてことはありません。
それぞれの仕事には、それぞれの責任と誇りがあります。
知能が低下する?
「2時間以上運転してると知能が低下する」
確かに、そんな研究もあるようですね。
でもそれは“運転すること”自体が悪いのではなく、“長時間座りっぱなし”が問題だと聞いています。
僕らは運転だけじゃなく、積み降ろしや点検、手積み手卸し、駐車やバックなど、頭も身体もフル回転で使って仕事しています。
少なくとも、座ってボーッとしているわけではありません。
運転という行為を軽視してもらっては困ります。
状況判断、集中力、体力、時間管理、ルート選定…一瞬の気の緩みが命取りになる世界です。
むしろ、トラックドライバーは知的にも肉体的にもハードな職業です。
ご家族のことについて
「犯人はのうのうと生きている」
「トラックに命を奪われた家族より」
この部分には、正直、何も言えなくなりました。
ご家族を亡くされたこと、その悲しみと怒り、想像を絶するものだと思います。
誰かの運転ミスで大切な人を失った気持ちを、僕が理解するなんておこがましい。
ただひとつ言わせてください。
あなたの大切な人を奪った“その加害者”と、すべてのトラック運転手を同じにしないでください。
ほとんどのドライバーは、誰かの命を奪うような運転なんて絶対にしないと、毎日気を張って仕事をしています。
あなたの怒りはわかります。でも、その怒りを全てのドライバーに向けるのは、違うんじゃないでしょうか。
最後に
最近、ブログを更新していませんでした。
なんとなく、やる気が起きず、気持ちも落ち込んでいたんです。
でもこのコメントを読んで、「ちゃんと書こう」と思いました。
感情的になってしまった部分もあるかもしれません。
それでも、僕の気持ちは正直です。
コメ主さん、ご家族のこと、本当に辛かったと思います。
言葉にできないほどの喪失感を抱えて、今も苦しんでいるのかもしれません。
それでも、僕は「トラック運転手は底辺」なんて言葉には黙っていられませんでした。
僕は、無能かもしれません。
でも、できることは一つだけ。
これからも事故を起こさないこと。
荷物と、人の命を守ること。
それが僕の仕事であり、誇りです。
そしてこのブログを通じて、少しでも交通事故の悲しみが減るように。
あなたのような思いをする人が、これ以上増えないように。
これからも僕なりに伝え続けていきます。
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